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2019年4月17日水曜日

砂の器 映画

Amazonプライムビデオで「砂の器」を見ました。
デジタルリマスター版だったので、画像はけっこうきれいでしたよ。

原作は松本清張氏の小説です。連載は1960年。


 主演の今西刑事を丹波哲郎さん、若手刑事・吉村を森田健作さん、犯人役で天才ピアニストの役を加藤剛さん、殺される元巡査の役を緒形拳さんが演じています。
 こどものころテレビで主人公演じていた人たちばっかりですねえ。もちろん?笠智衆さんとか菅井きんさんも出演してます。あと渥美清さん、島田陽子さんも。

 映画は1974年につくられたので、列車などは小説と少し違っているそうです。

 ザ・昭和の日本映画という感じで、重厚な雰囲気、テーマ曲の繰り返し、推理よりも犯人の生い立ちに焦点がおかれており、
 最後は「捕まえないで」と思う人も多いのではないでしょうか?

 前半は刑事たちの奮闘ぶりに、「何か手がかりでるといいね」と思っていたのに、最後は犯人側に感情移入してしまうという。
 悲しいお話でしたね。時代背景もたっぷりでした。

 犯人が作曲家なので、その曲「宿命」が大きな役割をしていて、最後の方は、オーケストラの演奏と犯人の生い立ちの話がかぶさってかなりの盛り上がりをみせています。
 松本清張氏は、映像でないと表現できないこと、と評価していたようですよ。

 あと、古い日本の国鉄がでてくるので、鉄道ファンには楽しい作品かも。今西さんいっぱい移動してましたw


 ここから先はネタバレなので、あらすじを知りたくない人は、読まないでくださいね。



 東京の国電蒲田操車場内で、男の殺害死体が発見された。持っていたマッチから前夜に男がいたバーがわかる。
 男は若い男と二人で話し込んでおり、言葉がズーズー弁で、ホステスは「カメダ」という単語が聞こえたという。

 しかし、他に手がかりはなく、男も若い男も身元がわからない。
 「カメダ」が地名かもしれないと思った今西と吉村は東北の羽後亀田まで調べにいくが手がかりなし。
  その帰りの列車で、作曲家の和賀をみかける。

 次の手がかりは新聞に載っていた記事。中央線の窓から白い紙をまく女性の記事だった。
 吉村は、これが若い男が着ていた白いポロシャツではないかと直感。
 記事のあたりを探し回り回収したところ、果たして被害者の血液型と同じ血痕がついた布だった。
 布をまいていた女性はホステスだと判明するが、吉村が会いにいくと行方をくらましてしまう。

 やがて被害者の養子だという男性が名乗り出て、身元が判明。
 三木という名前で鳥取で警官として勤めた後、故郷の岡山で雑貨商を営み、家業は養子夫婦にまかせて隠居の身の上だったという。
 そこで、かねてから行きたかったお伊勢参りにいくと家をでて、気ままな旅をしていたらしいが、伊勢からの便りを最後に音信普通になり、長い間連絡がないことから家族が捜索願をだして判明した。

しかし、「ズーズー弁」の謎が深まるばかり、今西は専門家の助言をもらいにいくと、出雲地方では「ズーズー弁」が使われていると判明、さらにその範囲に「亀高」という地名もあり、そこは三木巡査の勤務地だった。
今西刑事は聞き込みにいくが、三木巡査を恨んでいる人はみつからないどころか、みな口をそろえて「素晴らしい人」という。
身元は判明したが、犯人はまったくわからない。

今西刑事は、休暇を利用して伊勢で三木が泊まっていた宿にいく。過去2回の出張では空振りだったので、出張願いが出しにくかったからだ。
すると、三木は同じ映画館に2回も足を運んでいたことがわかった。彼がみていたのは映画館にかかっていた写真。
和賀は政治家の娘と婚約しており、政治家の地盤が三重だったことから映画館に政治家一家の写真があり、そこに和賀も写っていたのだ。

鳥取時代の三木のエピソードで、村に入ってきたハンセン病の患者とその息子を保護したというものがあり、患者は療養所に送り、息子の方は手元で養育しようとしたが、逃げ出してしまい、行方がわからなくなっていた。

今西はこのいなくなった子どもと、病気の父親のことを調べに彼らの故郷金沢に行く。父親がハンセン病になり、当時は不治の病とされていたことから、母親は去り、二人はお遍路のかっこうで村から追い出されたのだった。
そして、各地を流浪して、亀高で三木巡査に会ったのである。

父親の方は病院で今も生きており、三木とずっと連絡をとりあっていた。
三木は映画館で写真をみたとき、逃げ出した子どもであることを悟り、余命いくばくもないだろう父親に会うように説得にいったのだ。

しかし、和賀は大阪で空襲のどさくさに紛れて、新しい戸籍をつくり別人として今の地位を築いてきた。
ポロシャツをまいた女性との間には子どもができていたが、おろすようにいっており、政治家の娘と結婚し順風満帆な人生を歩もうとしていた。
三木は、入院している父親のところに首に縄をつけてもつれていくといったため、殺害されたのだった。

2019年4月17年Amazonプライムビデオで見放題配信になっていました↓

 ブルーレイはこちら↓
 

映画と小説では少し違うので、どっぷり清張ワールドにはまりたい人は書籍がおすすめです。電子書籍もあります。

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